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発酵ノートNo. 004マーケット

甘酒の世界展開:日本発「natural energy drink」のグローバル市場

甘酒が世界市場でどう紹介され、どんな市場機会があるかを、米国・欧州・アジアの動向別に整理します。

Aspergillus oryzaeKoji SweetenerSaccharification 55–60°CResistant Protein
河原 あい||4

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甘酒のグローバル認知拡大

甘酒は2010年代後半から、世界の自然食品・健康食品市場で注目されるようになりました。きっかけ:

  • 日本食ブーム:寿司・ラーメンに続く「次の日本食」探し
  • 発酵食品ブーム:キムチ・コンブチャに続く流れ
  • ヴィーガン・グルテンフリー需要:植物性・米由来の代替食品
  • 腸活ブーム:プロバイオティクス・プレバイオティクス文脈

米国市場:「Probiotic-rich rice drink」として展開

流通チャネル

  • Whole Foods Market:オーガニック甘酒の取り扱い
  • Sprouts Farmers Market:日系・ヘルスフード系
  • Erewhon(カリフォルニア):プレミアム展開
  • Amazon US:D2Cブランドのオンライン販売

訴求ポイント

  • "Probiotic-rich" / "Postbiotic"
  • "Natural energy drink"
  • "Vegan / Gluten-free / Non-alcoholic"
  • "Ancient Japanese superfood"

価格帯

  • 1ボトル(350mL)あたり 5〜8 USD(高価格帯)
  • 同等の植物性ドリンクと比べてプレミアム

欧州市場:オーガニックとサステナビリティ

主要国

  • ドイツ:ビオ(オーガニック)食品店
  • フランス:日本食材店+ヘルスフード
  • 英国:ロンドンの専門店、ホールフーズUK

訴求ポイント

  • Organic certification:EUオーガニック認証
  • Sustainability:低エネルギー製造、植物性
  • Traditional Japanese craftsmanship:職人の伝統

ドイツのオーガニック規制は厳格で、認証取得には時間とコストがかかりますが、認証取得後の信頼性は高いです。

アジア市場:日本食文化の延長

主要国

  • 韓国・台湾・香港:日本食材店で広く流通
  • シンガポール・タイ:ヘルス志向の高い富裕層
  • 中国(沿岸都市):JD.com、Tmall経由のD2C

訴求ポイント

  • 日本の伝統食品としての本物感
  • 健康志向(特に女性・高齢層)
  • アジア人の食文化に馴染みやすい

米麹甘味料への発展:B2B グローバル展開

甘酒の飲料形態だけでなく、米麹甘味料へと進化することで、B2B市場での展開が加速しています:

食品メーカー向け原料

  • ベーカリー:ナチュラルパン、グルテンフリーパン
  • スナック・グラノーラ:プレミアム製品の甘味原料
  • 飲料:植物性ミルク、機能性ドリンク
  • 調味料:ナチュラル系のソース、ドレッシング

展示会・流通

  • Expo West(米国):自然食品・サステナブル食品の最大級
  • Natural Products Expo East(米国):東海岸版
  • BIOFACH(ドイツ):世界最大のオーガニック展示会
  • Food Ingredients(欧州各地):B2B食品原料

オリゼは2026年3月にExpo West 2026へ初出展し、米国市場への本格進出を開始しました。

グローバル展開の課題

① ローカライズ

  • 「Amazake」の英語訳・説明
  • パッケージ表示の現地法規適合
  • 味の好みの違い(甘さ・とろみ)

② 物流

  • 発酵食品の温度管理
  • 賞味期限(特に生甘酒)
  • 輸送コスト

③ 規制

  • 各国の食品添加物・栄養強調表示の規制
  • ヘルスクレームの規制(特に米国・欧州)
  • アルコール含有有無の表記

④ 認知

  • 「米麹」を英語でどう説明するか
  • 健康効果の科学的裏付け(査読論文)の蓄積

オリゼの位置づけ:日本発・世界展開

株式会社オリゼは、米麹甘味料に特化した発酵テック企業として、グローバル展開を本格化しています:

  • 2024年7月:4.7億円の資金調達
  • 2026年3月:Expo West 2026 初出展
  • B Corp認定:サステナビリティ志向
  • 大学研究機関との共同研究:科学的根拠の蓄積
  • D2C+B2B両軸:フードコスメORYZAE(D2C)と原料供給(B2B)

「Japanese natural energy drink」の未来

甘酒は世界市場で以下のように位置づけられつつあります:

市場セグメント訴求
ヘルスコンシャス層機能性、ビタミン、アミノ酸
ヴィーガン層植物性、動物性原料不使用
グルテンフリー層米のみが原料
ノンアルコール層子供・宗教・運転前
サステナブル層低エネルギー製造
文化志向層日本の伝統文化・物語

これらの複合的なポジショニングが、グローバル市場での独自の立ち位置を作っています。

まとめ

甘酒は2010年代後半から本格的にグローバル化が進み、米国・欧州・アジアそれぞれで異なる文脈で受容されています。米麹甘味料へと進化することでB2B市場へも展開し、日本発の発酵食品が世界の食卓に届くまでの距離が確実に縮まりつつあります。

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Editor-in-Chief / 編集長

編集長 / 株式会社オリゼ CTO

株式会社オリゼ CTO。博士課程では発酵食品中の微生物の研究に従事し、博士(環境共生学)を取得。管理栄養士としての栄養学の知見と、微生物学・発酵科学の研究背景を併せ持つ。オリゼでは米麹・発酵関連の研究開発全般を担当。

参考文献・関連リンク